ヒマワリ君の甘い嘘





***


ーピンポーン




「あれ〜?寝てんのかなー…」



高崎くんは反応しないドアを見てからもう一度チャイムを押す。



放課後、私たちが高崎くんに連れられて来たのは日向という札が掛かっているドアの前。



連れて来られるまで気づかなかった私と華は、その現状に気づいた今、ふたりともポカンと口を開けて、日向の文字を見ているしかなかった。



「や、やるじゃん。王子」



「ね、言ったでしょ。こいつめっちゃいいマンション住んでんの」



高崎くんが笑う。



いや…それにしても、予想外っていうか…




もしかして、高級マンションなんじゃ…?

住みやすそうで、立地も駅から近いし、たぶん10階まであるんじゃないかってくらいの高さだし。

恐るべし、日向葵生…



私たちはその一回のエントランス的な所で、日向くんの反応を待っていた。



扉の奥にはエレベーター。



自動ドアが開くと、私たちはそのエレベータで日向くんの部屋の階まで行き、もう一度チャイムを鳴らした。



辺りを見渡すと同じ色で同じ形をしたドアがズラリと並んでいる。

やっぱり、結構大きなマンションだ…






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