ヒマワリ君の甘い嘘
ーピンポーン
「おーい。あおいー」
ーガチャ
解錠の音と共に強張る私と華。
ドアから顔を出したのは、いつもとは少し違う日向くん。
黒のTシャツに、黒いスウェットズボン。
頭はボサボサで、いかにも風邪って感じだ。
「…………………………何?」
掠れた声で日向くんは言う。
ドアの影に隠れてしまっている私たちにはまだ気づいていない。
私はここまで来る途中に買ったもの(日向くんがキレた時用の貢物)が入った、スーパーのレジ袋を握りしめた。
予想はしていたけど、制服を着ていない日向くんは、いつもとはまた違った感じがして
私は変にドキドキしてしまった。
だって、制服以外の日向くん見たことなかったし。
いつもより更に無気力感増してるし。
私服だって、…私服というか寝巻きだと思うけど、想像通りシンプルなのにオシャレだし。
スタイルがいいからなんでも似合う。
そりゃ、ちょっとくらいは………
「よっ!風邪だって言うからお見舞いに来てやったんだよ、立花さんたちと」
「やっほー!王子。大丈夫ー?」
高崎くんの言葉とともにひょっこりドアの影から顔を出す華。