ヒマワリ君の甘い嘘

私は、レジ袋から買った物を出して、キッチンの上に並べた。


対した物はできないけど、日向くん料理できてなさそうだし、食べ物与えなきゃ…!!!


鍋に水とパックのご飯を入れて火を付け、それがとろとろになるまで煮詰める。



あれ?お塩、ソルトボックスに入ってないんだけど…?

これじゃお粥無味になっちゃうよ。



「日向くーん。お塩って何処ー?」



私がリビングに向かって叫ぶと、「レンジの横の棚」と返ってきた。


多分、華と高崎くんは普通にくつろいでテレビでも見てるんだろうな……。


レンジの横の棚って……あ、これか。



その棚は私の身長より少し大きくて…



「(届くかな...?)」



手を伸ばして扉は開けられたけど、中身が上手く取ることができない。


気をつけて取らないと、落としたら家から追い出されちゃう…!


「ふんっ…!!」


思いっきり背伸びをして、棚から覗く塩という文字がかいてある袋を取ろうとする。


けど、指が掠るだけで上手く取れない。



もう一度、さっきよりさらに身長を伸ばして手を伸ばすと、指先が袋の先に届いて掴むことができた。



「(やった!!!やるじゃんわたし!)」



って、アレ…?


掴んだ袋と一緒に、その横に置いてあった箱まで落ちてくる。


え!嘘…!!!


右手はお塩を持っているし、左手は身体をささえる為に使っているし…



「(どどど、どうしよう!!!)」



衝撃と音に備えて目を瞑る。



「何してんだよ」






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