ヒマワリ君の甘い嘘

「ねぇ!聞いた?今日うちらのクラスに転校生来るらしいよ!」



「 へー!今の時期に珍しいね」



華は喋りながら私の前の席に座る。


そんなに焦らなくても、まだまだ朝休みの時間はあるのに…



「それがね!男子らしいの!」



「……あ〜、だから皆化粧してるのか…」



周りを見渡せば、何時もは煩く騒いでいる女子たちが、静かに鏡とにらめっこしている。
教室に入って感じた違和感の理由に、納得がいった。


転校生、それに男子…


凄いベタなシチュエーション…。




「イケメンだったらどうしよう…!!」


華がはしゃぐ。


「華、彼氏いるじゃん」



「それとこれとは別なの!目の保養よ!目の保養!」




華は綺麗でモテる。


だからもちろんかっこいい彼氏だっているのに、目の保養とは…

これがモテる女の余裕って奴かな……



それに比べて私は童顔だし、モテた事なんて一切無いし…


最近は、ちょっとでも大人っぽく見せようと前髪を伸ばしてるけど、全然にあってないのが自分でもわかる。



イケメンかー…


そう簡単にいるものじゃないと思うけどなあ…。



実際、あの人よりイケメンな人いないと思うし…

私の頭の中に浮かぶイケメンなんて、あの茶色い瞳しか浮かばない。




「小夏!もしイケメンだったらGETするのよ!絶対にね!」


「なんで華がそんなこと言うの」


「だってあたし彼氏いるんだもん。小夏に賭けるしかないじゃん」



それはどういう意味なの........




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