ヒマワリ君の甘い嘘
どうしようもなく、心臓が弾んだ。
柄にもない、真っ赤な顔をした俺。
名前、聞けばよかったな……。
学校は、どこなんだろう。
見たことない制服だったけれど。
あぁ、クソ…。
もう少しあそこにいて、話していればよかった。
だけど、彼女にこの目の事で、これ以上言われるのが怖くて俺はあの空間から逃げてしまったんだ。
きっと、誰よりもあの子に言われてしまうのが怖い。
ハーフなんかじゃないよ。って
笑って答えることなんて出来ない。
今まで気付いてなかったけど、この目、割と俺の中でコンプレックスなのかも。
帰り道、たくさんの感情が溢れるように出てきて、頭が着いていかない。
「(また、会えるかな………)」
見上げた空は、少しだけ蒼色が混ざっていた。