ヒマワリ君の甘い嘘


「私、別にイケメンの彼氏が欲しい、なんて思ってないもん」



「なにそれもったいない!女子なら面食いでいなよ〜!」



実際、どういう顔がイケメンだとか、どの芸能人がイケメンだとか、そういうのが疎い私にとって、どんな人が来てもスルーだと思うけど。



華は“頑張って”なんて口パクで私に伝えながら、チャイムの音の中自分の席へ戻っていった。



担任がチャイムの終わりとほぼ同時に教室の扉を開ける。

いつもと変わらず、遅刻なんか絶対にしない。



「多分お前らも知ってると思うけど、他の学校から転校して来た人がいる」



担任は、他の先生に比べて若くて、いつもどこで生活してるんだろうっていうくらい髪はボサボサで
服もヨレヨレだけど、顔と、この無気力な性格で生徒にモテてるっていう噂を聞いたことがある。


「知ってるから早く紹介しろよーー!」


「おー、提出物出してねぇお前の言うことは聞かなーい」

クラスの人気者が教室を盛り上げる。
先生は気にせずそれを断った。

それをきっかけにクラスがザワザワしはじめる。

転校生、きっと緊張するだろうなあ…



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