ヒマワリ君の甘い嘘
side girl
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「へっくしゅんッ!!」
通学路に響く私の大きなクシャミ。
日向くんの家に訪問した次の日。
クシャミは今日で3回目。
もしかして、本当に日向くんの風邪うつっちゃったのかな…
いや、違う。
多分杉の木の前を通っているからだ。
「(きっと花粉のせい…)」
私は自分にそう言い聞かせると、学校へ向かう足を早めた。
学校に着くと、懐かしい光景が目に入る。
私の席の隣に座っている、黒い髪。
そしてその前には楽しそうに話す高崎くん。
きっと日向くんは、凄く嫌そうな顔をしているんだろうなあ…
クスリと笑うと、私も自分の席に着いた。
「おはよー!立花さんっ!」
高崎くんは、やっぱり元気だ。
そういうところも華と似ている気がする……って違う!!
「お、おはよう」
慌てて高崎くんに挨拶をしてカバンの中から荷物を取り出す。
昨日といい、今日といい。
最近私の中で、華と高崎くんがだんだんお似合いに見えてしまっている
「(ダメだよ!華には裕也くんがいるのに…!)」
フルフルと首を振って、その考えを吹き飛ばした。