ヒマワリ君の甘い嘘


日向くんに褒められたのは嬉しかったけど……

自分でも気づかなかった…。



「なにもありませんっ!」



私は大きな声でそう言うと、急いで自分の席へ走った。




***





「小夏、顔赤くない?大丈夫?」




ホームルームの時から私の頭の中は日向
くんのあの笑顔ばっかり。


自分でも気持ち悪いくらいにずっと考えてしまっている。


それにさっきから身体熱いし、ボーッとするし…


なんか、日向くんの新しい一面が見れたしがして凄く嬉しいんだ。


なんでかな…?


「大丈夫ー」



お弁当を食べながら、華に一言言うとまた卵焼きを口に放り込んだ。






***



五時間目。



担任がチャイムと同時に入ってきて、授業を始めた。




「立花、悪い。教科書見せてくれ」



日向くんはそう言って、私の席に机を近づける。


ぐんと縮まる私と日向くんの距離。


少し身体をずらせば、肩が触れるくらい。

また心臓が、どんどん早くなる。




「おい、大丈夫か?…顔色悪いけど」



日向くんがこんな近くにいるからだよ…

………ってあれ、私なにいってるんだろう…


あ、れ……?


身体がふわふわする。



「立花…?」



日向くんの顔がすぐ近くにあって…

綺麗な顔だなー…

睫毛、私より長い…


「…おいっ__________







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