ヒマワリ君の甘い嘘
ーぎゅっと、
ベットに座っている彼女に身を乗り出して、抱きしめた。
キツく、キツく。
立花は風邪のせいで身体が凄く熱い。
「ひゅ、…うがくっ…!?」
上ずった声も、
震える肩も、
火照った身体も、
いい匂いがする髪も、
全て、愛しい。
彼女が俺の手の中にあるんだと思うと、少しだけ、涙が出そうになった。
「ちょっと…あの…っ、…えっ!?」
「うるさい。黙ってろ」
もういい…
こんなにも近くにいるんだ。
側に置いておかないでどうするんだよ。
俺の背中の後ろに回る、立花の手の感触。
熱いからすぐに分かった。
髪に顔を埋めると、石鹸のような、
シャンプーかな?
懐かしい香りがして、俺は更に抱きしめる力を強くした。
「ぐす……ううぅ〜…」