ヒマワリ君の甘い嘘



ーぎゅっと、


ベットに座っている彼女に身を乗り出して、抱きしめた。



キツく、キツく。



立花は風邪のせいで身体が凄く熱い。




「ひゅ、…うがくっ…!?」




上ずった声も、



震える肩も、



火照った身体も、



いい匂いがする髪も、




全て、愛しい。




彼女が俺の手の中にあるんだと思うと、少しだけ、涙が出そうになった。



「ちょっと…あの…っ、…えっ!?」



「うるさい。黙ってろ」



もういい…



こんなにも近くにいるんだ。



側に置いておかないでどうするんだよ。



俺の背中の後ろに回る、立花の手の感触。


熱いからすぐに分かった。



髪に顔を埋めると、石鹸のような、
シャンプーかな?
懐かしい香りがして、俺は更に抱きしめる力を強くした。



「ぐす……ううぅ〜…」




< 99 / 201 >

この作品をシェア

pagetop