哀しみの瞳

（重子）
「実は、園長先生、この間、職員さん居なくて、手が足りないって、言ってらしたでしょ？突然、何だけど、まぁ、手伝い程度で良かったら。この子、どうかなって、思って連れて来たんだけど！面接してもらえんやろか？」



（園長）
「はあーん、はいっ、それは、また本当に？助かるわ！本当に、困ってるのよ！あっちこっち、声掛けてたんだけど、なかなか見つからなくて。でも、和田さんとこの、御知り合い？」


（重子）
「ええ、内の孫の剛の同級生の子なのよ！まぁ、ちよっと、内で、暫く預かる事になって…園長先生の話しをふぅっと、思い出してね！それがね？ちょうど、保母さん志望のお嬢さんなのよ！どうかしら？」



（あらっ、なお、好都合だわ！ええっ、でも、じゃぁ、高校卒業したばかりって事？」



（重子）
「ええっ、実は、東京の〇〇女子大を受けて、合格までしたのに…ちよっと、こっちへ、来る事になっちゃってね！だから、ピアノは弾けるし～ねぇ、理恵ちゃん？」



（理恵）
「はいっ！でも、最初は、分からないので、御手伝いから、何でもします！」



理恵は、びっくりはしたものの、二人の会話を聞いて、まごころ園が、どんなところなのか、想像ついた。

重子が、気を利かせて、理恵に仕事を紹介してくれた事が、すぐに理解でき、内心とても、有り難く思っていた。