哀しみの瞳

（美佐子）
「あらっ、この方、荷物何にも無いのかしら？」



（甚一）
「ああっ、身一つで連れて来たからな！捨て猫と同じと思え！！」



（美佐子）
「あらまぁ、捨て猫だなんて！ねぇ？何て失礼な言い方するんでしょうね？この人は、ごめんなさいね？」


（秀）
「いいえ、まぁ、そんなところですので、すみません」

家族構成

川野 甚一 ６８才
空手の師範をしていて、子供から大人まで教えている。

川野 美佐子 ６０才
税理士 なかなかのやり手らしい。

川野 美紀 ２８才 税理士を目指し、未だ勉強中。母親を手伝っている。




秀の背広に付いているバッチで、何かに、気付いたらしく。



（美紀）
「もしかして…弁護士さんとか？」


（秀）
「はいっ、一応。弁護士です」



（美紀）
「ええっ！まだ若そうなのに！…もうっ弁護士さんなの？」


秀は、苦笑いをする。はっきりと物事を言う所があるらしい。