哀しみの瞳
それから二週間後


(小林)
「んんっ、君は、もしかして、子供の頃から、風邪を引いたら治りにくい。怪我をしても、なかなか治らない。傷一つも治りが遅い。とか?だった?」


(理恵)
「はいっ、小さい頃から、体弱くて、母からは、いつも、風邪引かないで。怪我しないで。体育の授業は、絶対に無理しないでとか、いつも口うるさく言われてました。
それで、何か分かったんでしょうか?」



(小林)
「できたら……
とかじゃなくて、今回…子供は、諦めてもらえないかと……」



(理恵)
「ええっ、どうしてですか?私が体弱いからですか?」


(小林)
「んんっ…理由は、色々あるんだけど…
まぁ、君はまだ若い!そのぅ、これから先も、将来、まだまだ可能性は、残っている。今、無理をして、産む事はない、と思うのだが?どうだろう!」



(理恵)
「産めない訳をきちんと聞かせてください!でないと……」


小林先生は、専門用語が多くて、理解できにくかった。つまりは、理恵の体が、あらゆる面で、出産に絶え得る体力を持ち合わせて無いという事だけは、何となく分かった。無理をすれば、理恵本人の生命までも、助からないかもしれない、という事も言われた。


理恵は、どうしても、お腹の子供を、諦める事は出来なかった。


どうしても、小林先生にもう一度、お願いをしてみようと思った。
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