哀しみの瞳

成長

理恵は、1ヶ月の入院を余儀なくされた。普通の人は、8日間程で退院ができるものを、理恵の身体は、到底普通の人のように戻るはずもなかった。



(小林)
「ところで…吉川さん?1週間たったけど、赤ちゃんの名前は、もう決まったのかな?」


(理恵)
「はいっ!」


(小林)
「えっ、何て?」


(理恵)
「秀一(しゅういち)といいます。おばあちゃんに、届出の方は、頼んでおきましたから!」



(小林)
「ほうっ!しゅういち?どうしてその名前に?」



(理恵)
「……男の子だったら、この名前にって、決めていたんです!」



(小林)
「父親の名前から…貰ったとか?」


(理恵)
「………」



(小林)
「図星だな?…分かりやすい人だな、君は!」



(理恵)
「今どきっ、とは思ったんですけど。早いうちから、決めてた名前だったんで、迷わず決めました」



(小林)
「何か君らしいよ!古臭い名前だけど…賢そうだ!今から将来が楽しみだな!君に、似てたら、相当な、強情者だという事だ!間違いなく」(笑う)
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