哀しみの瞳

（秀一）
「…じゃぁ、明日からは、僕が面倒みてあげるよ！僕の妹にしてあげよう？お母さん！いいでしょう？僕みんなの御手伝い何でもするからね。赤ちゃんの世話の事、僕に教えて？」


秀一は、今までにも増して、先生達の言う事を訊き、小さい手で、赤ちゃんのオムツを替えたり、ミルクをやったり、着替えをさせたり、大人顔負けな位に、よく面倒をみた。ぐずっている時は、下手ながらも、子守り歌を唄ってやったり、自分のお気に入りの本を読み訊かせまでしてやっていた。



夕方になると、由理と別れなければ、いけない為に秀一は、何とも言えぬ寂しい顔をして、唯一理恵を困らせた。


園の人達には、理恵でも驚いたのは、一人ひとりに、由理の事をお願いします！と挨拶をしてくる始末で
そこまでするかねぇぇって感心されていた。



（嶋田園長）
「ねぇ！理恵ちゃん？
他でもないのだけど。赤ちゃんの事だけど、正式に名前を付けて市へ届を出して来ようと思うのよ！」



（理恵）
「はいっ！私と秀一とでもう決めている名前があります。」



（嶋田園長）
「あらっ！そうだったの？何て名前？」



（理恵）
「由理（ゆうり）って言うんですけど」



（嶋田園長）
「ゆうりちゃん…んんっ！良い名前ね！素敵な名前だわ！それと…誕生日もしゅうちゃんと一緒の１１月１４日という事で出してくるわね！
来年からは、しゅうちゃんと一緒にお祝いできるわね！」



（理恵）
「はぁーい、そういう事なら、秀一は、なお喜ぶと思います！」



嶋田園長は、独り言のように、
由理ちゃん～由理ちゃんねぇー本当良い名前よねぇ！うふふっっ～