哀しみの瞳
しかし、秀一は、普通の5才のガキじゃあない!



俺が家に居ると…

(秀一)
「剛おじさん!仕事はどうっ?忙しいですか?」っ何て……


挙げ句に
「剛おじさんは、誰か好きな人いないんですか?」
って、お前は、気付いているんだろう!って、睨んでやった。


あれは、絶対父親にそっくりだ。
昔俺が、吉川をいじめた時、俺のとこに、直に言いに来た。理恵をいじめるんじゃないぞ―って。とんでもない、吉川の守り神だった。そうだ!秀一はあいつに、そっくりじゃないか!
しかし、秀一は、あいつ以上に、インテリな男になりそうだ。


ある日、俺は、秀一に聞いた。

「秀一!お前は、大きくなったら、何になる?運転手さんとか?ああっ、先生とかかぁ?」


「剛おじさん!僕にそんな事聞いてどうするの?僕は、母さんと由理を守れる強い人になるんだ!剛おじさん?いい加減に、母さんの事、諦めた方がいいよ!!」って、この野郎!!
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