哀しみの瞳
第4章 父と子

親子の情

「御帰りなさい!」
「御帰り!!」

美佐子と美紀が二人揃って、出迎えてくれた。



(秀)
「只今戻りました。…この度は…色々とお世話お掛けしました。理恵の葬儀にも、気を使って頂いて……有難うございました。」


(美佐子)
「とにかく、挨拶はもうっ、いいから、美紀ちゃん!子供達を見てあげて!」


(美紀)
「はいっ!しゅうちゃん?そして、由理ちゃん!此処まで大変だったわね!大丈夫?
お姉さんと一緒に、お部屋に行こうね!」


(美佐子)
「お姉さんだって?ええっ!おばちゃんでしょ!もうっっ」

美紀は、即座に美佐子を睨み付けて、中へ入って行く。


(美佐子)
「秀さん、とにかく、中へ入って!主人は、もうすぐ出先から、戻って来るわ!貴方達が戻るのを、首を長くして、待ってたのよ!」



美紀が呼ぶ所へ行ってみると、自分達の為の部屋が用意してあった。元々自分が使っていた部屋が、狭いからと、物置にしていた部屋を片付けて、三人が住めるように、最低の道具が揃えてあり、綺麗に整えてあった。その中には、子供用の2段ベットと、秀一の勉強机も置いてあった。



(美紀)
「しゅうちゃんに由理ちゃん?美紀お姉さんです!二人共よろしくね!分からない事は、何でも聞いてね?んっ?」



(秀一)
「早速ですが……教えてください。由理が、たまに夜泣きをするんです。どうやったら、夜泣きは止むんですか?」



(美紀)
「んんっ…そんな質問から来たかー!その事については………美佐子母さんが詳しいかも…母さんーー」
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