哀しみの瞳
個別懇談の日
秀は指定の時間よりも遅れて入って行った。
「遅れまして!どうもすみません」
「いえっ、お忙しいお仕事をなさっていらっしゃるから、大変でしょう?」
「いやっ、当たり前の事ですから!どうぞ、本題に行ってください」
担任は、二学期の成績表を広げながら
「吉川君は、まぁ、お父さんも、見られて、ええっ、判られますように、算数が5でそれ以外は、殆ど4なんですが、ああっ、音楽は、ははっっ、苦手なんですね?
本当は、吉川君、この4というのも、点数からすると5みたいなもんなんですが、授業中に私の話しを聞いておられないのですよ!」
「どうしてでしょう?」
「隣りにいる子が…少し…ちよっと、付いてこれない子でして、その子をどうも気にかけまして、優しくしてあげるのは良いんですが、授業に集中してくれないのですよ!この間なんか、体育の時間に遅れて体育館にその子と入って来ましてね!僕は、注意したんですよ!時間をちゃんと守るようにと、どうも、その子の支度を手伝ってたら遅れたらしいのですがね。一事が万事そうなんですよ。気が良いというか、優し過ぎるというか…」
「うちの秀一は…それでいいと思ってます。それでこそ私の子だと思います。別に成績が5になってくれなくても、その隣りの子に優しく接してくれる秀一が私は好きです。私にとっての秀一は、100点満点の子ですから」
「ああっ、そうですか!まぁお父さんが、そういうお考えなら…別に私は、それ以上は何とも…」
秀は指定の時間よりも遅れて入って行った。
「遅れまして!どうもすみません」
「いえっ、お忙しいお仕事をなさっていらっしゃるから、大変でしょう?」
「いやっ、当たり前の事ですから!どうぞ、本題に行ってください」
担任は、二学期の成績表を広げながら
「吉川君は、まぁ、お父さんも、見られて、ええっ、判られますように、算数が5でそれ以外は、殆ど4なんですが、ああっ、音楽は、ははっっ、苦手なんですね?
本当は、吉川君、この4というのも、点数からすると5みたいなもんなんですが、授業中に私の話しを聞いておられないのですよ!」
「どうしてでしょう?」
「隣りにいる子が…少し…ちよっと、付いてこれない子でして、その子をどうも気にかけまして、優しくしてあげるのは良いんですが、授業に集中してくれないのですよ!この間なんか、体育の時間に遅れて体育館にその子と入って来ましてね!僕は、注意したんですよ!時間をちゃんと守るようにと、どうも、その子の支度を手伝ってたら遅れたらしいのですがね。一事が万事そうなんですよ。気が良いというか、優し過ぎるというか…」
「うちの秀一は…それでいいと思ってます。それでこそ私の子だと思います。別に成績が5になってくれなくても、その隣りの子に優しく接してくれる秀一が私は好きです。私にとっての秀一は、100点満点の子ですから」
「ああっ、そうですか!まぁお父さんが、そういうお考えなら…別に私は、それ以上は何とも…」