哀しみの瞳
梅雨も明け夏休み前~
(甚一)
「秀っ、そう言えば、そろそろ秀一の進学先決めないといけない頃なんじゃないか?本人から何か相談受けてるのか?」
(秀)
「いいえっ、相談なんて、全然ですよ!ただ成績表だけは見せてくれてますけど…成績はいつも大体トップなんですが……」
(甚一)
「お前に、似たんだな?半端じゃなく頭いいんだな!どうした?何か問題でも?」
(秀)
「各教科の先生の評価?内申というやつがあまりによくなくて、担任は、数学の教師なんで、あいつは数学は完璧だから、その先生は、一応有名進学校は大丈夫ですからって、言われているんですけど、…本人はあまり進学校には、興味なくて……」
(甚一)
「あいつは、特別勉強自体に興味は無いんだろうな?何に成りたいとかいうものが、まだ見つからないのじゃないか?そこの所は聞いたことないのか?」
(秀)
「あいつが、此処に来る時にひょっこり聞いたことあるんですが、その時は…由理を守れる強い人になりたい!って……そう言ったんですよ!」
(甚一)
「そっか!強い人か…じゃあ、差し当たり、空手を習得させる事だな!」
(秀)
「えええっ、そう来ましたか!」
(甚一)
「高校入ってからか?いやっ、それとも、明日からでもいいぞ!」