哀しみの瞳
ある日、秀一が家に帰ってくると、美佐子と美紀が、慌ただしく夕食の準備をしていた。


(秀一)
「ただいま!美佐子さん?」



(美佐子)
「秀ちゃん、御帰りなさい!今日は、ちよっとしたお祝いよ!」



(美紀)
「お母さん、赤飯は、やっぱり〇〇百貨店の地下のあの店のが一番美味しいのよね?」



(秀一)
「ええっ!赤飯って?何でですか?」今日は、何かあったのかなぁと考える。



(美佐子)
「秀ちゃん、由理ちゃんの具合見て来てくれる?」



(美紀)
「もうっ、お母さんったら!私が見てくるわよ!今日は…」



(秀一)
「ええっ!由理どうかしたんですか?具合悪いんですか?」



(美紀)
「ううーん!違うのよ!身体の具合悪いんじゃなくて、そのぅ…どう説明したらいいか…お母さんから言っておいて!」
そう言って、由理の所へ行った。



(美佐子)
「そのぅ、だから、由理ちゃんの。あれよっ、あれっ、女性の身体になったって言う事よ!」



(秀一)
「えええっ、由理が…ええっ、もうっ?」



(美佐子)
「秀ちゃん…分かってんの?」
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