哀しみの瞳
甚一と秀が、一緒に帰ってきた。



その日の夕食は、由理のその話で、皆大いに盛り上がった。



この件があって以来…秀一は、また一つ、由理を一層注意深く、見てやらなければいけないという責任をひしひしと感じていた。



学校からの帰宅時間は、厳重に守る事を徹底させた。


遅くになる時は必ず家に電話をするように、念を押した。美紀さんに迎えは、頼んでおいた。



(由理)
「お父さん…しゅうがね?帰りは何時になるんだ?って、毎日しつこく聞いてくるの!もうっ、嫌だよ!いちいち口うるさくて…お父さんから、何とか言って、うるさく言うの、止めさせて?お願い!」



(秀)
「秀一はそれでなくても、几帳面な性格だからなぁ!由理の事、気になって、心配でたまらないんだよ!」



(由理)
「だって、由理…監視されてるみたいで、もうっ、嫌なんだ!しゅうの事…嫌いになっちゃうよ!」



(秀)
「分かった。分かったから…父さんから、言っておくから!」
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