哀しみの瞳

美佐子は、秀一に真っ先には連絡できずにいた。まずは、探せるだけ、探して秀に相談するのが先と思い、秀と連絡を取れるのをひたすら待っていた。




由理は…
もうっ、頭の中が真っ白になっていた。これから先、自分は、どうすれば良いのか！



由理の足は、何故か駅に向かって行き、そして電車に飛び乗っていた。


（しゅう？…しゅうは、このこと、ずっと知っていたの？……

知ってたのなら、何時から？……

私は、父さんの娘じゃない。そして勿論しゅうの妹でもない！

哀しい……哀しいよ！しゅう！私が今まで居た場所…家族は…

本当の家族じゃなかった………）


一度しか、行っていないはずの秀一のアパートへ、ひたすら目指した。


もう夜になってしまっていることにまで気付かずに居た。ただ秀一に、会って自分の気持ちを聞いて欲しかった。