哀しみの瞳

由理の幸せ

あんなことがあった割りには、立ち直りの早い由理に、みんな胸を撫で下ろしていた。



由理~高校2年


もうすぐ由理達の誕生日が近付いてきた頃~~誰しもが思いも寄らぬ出来事が起きた…



「ごめんください!……」



二人連れの夫婦であろうか、突然の訪問であった。



(男)
「こちらに、吉川 秀さんと、おっしゃる方がおられるでしょうか?」



(美佐子)
「はい!秀さんは、ここに…今は、仕事で出掛けてますが…どちら様でしょうか?」



(男)
「……わたくしは、こういう者ですが(おもむろに名刺を差し出す)」


…(株式会社)〇〇〇〇
代表取締役社長
高橋 圭一朗



(美佐子)
「高橋様…それで、秀さんには、どういうご用件で……」



(高橋)
「……何時お戻りなのでしょうか?お邪魔でなければ、こちらで、待たせて頂けたらと…ああっ、ここにいますのは、家内の…」
「妻のみち子と申します。挨拶がおくれまして…」みち子は、美佐子に、一礼する。



(美佐子)
「秀さんに、ちよっと連絡してみましょうか!」



(高橋)
「突然伺った上に申し訳ありませんが…私どもは、いつまでも、待たせていただきますので、お願いします!」
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