哀しみの瞳
(秀一)
「…………」
(由理)
「由理……ずっと待ってた。迎えに来てくれるのを。毎日のように……ううっっっ……本当のお父さんやお母さんといても…しあわせなのかどうなのかも判らなかった!一日一日が長くて……美佐子さんや、美紀さん達の所へ、何度帰ろうかと思ったの!ーーーー」
(秀一)
「由理!……ごめんよ!ちよっと……下降りて、お茶買ってくるから、少し待ってて!すぐに戻るからね!」
(由理)
「もうっ、待つの嫌だよ!しゅう…早く……」
秀一は、病室のドアを静かに閉めた。