哀しみの瞳
秀一が病室のドアを開けて入って行くと、由理がベットの上で膝を抱え込んで俯いていた。
秀一に気付くと、眼に一杯涙を浮かべていた。
秀一は、ゆっくりと由理に近付いていった。
由理を自分の方へ向かせながら…
「由理?よく訊いて!……俺は…由理のこと…………もう、妹としては…見れない!!見れなくなった。」
「…………」由理の涙が止まらない。
「由理を迎えに行けなかった。こんな自分のままじゃあ…どうしても由理に会えないって、ずっと自分の気持ちを閉じ込めて居た。………由理のこと…愛してる!!!妹じゃなく、一人の女の子として………」
由理を強く抱き締めた。秀一の眼から、初めて涙がこぼれ落ちた。