哀しみの瞳



由理に強引に話しを進めてもらい、久し振りに、甚一も交えて全員で海の眺めの綺麗なホテルで一泊どまりで出掛ける事ができた。



秀一は、外に出たがらない秀を無理矢理連れ出し、海辺で、由理と秀護と3人で戯れる姿を秀に見せるように、楽しんでいた。


(秀)~
理恵…見ているか!見てるよなぁ!秀一と由理があんなにしあわせそうにしてるだろ?良かったよなぁ、……俺、もうっ、君のところへ、行っても良いかな?…………少し眠くなってきたみたいだ。






由理が、海辺から、何気に秀を見た。



「お父さんっっーーー!!!どうしたのっっー」


走って駆け寄った。


続いて秀一も、秀護を抱き抱えて走り寄って来た。



「お父さん!!!お父さんったら!!!目を開けて!どうしたの?ええっ!しゅうーーーいやぁぁっっー」


秀の胸にすがって泣いている。


秀一は、秀の様子がただならぬ状態なのを診て救急車を読んだ。



(秀一)
「父さん!!!!……しっかり、してください!……父さん……」



救急車が到着した時全員が揃っていた。



救急隊の人が、2人ぐらいだったら、一緒に乗って行って下さい!と言われ、秀一と由理が、救急車の中に入って行った。



甚一も、美佐子も、美紀もそれは心配そうに救急車を見送った。
< 285 / 296 >

この作品をシェア

pagetop