哀しみの瞳
どれだけの時間が過ぎたのだろうか。
自分では、まるで時間の経過が判らなかった。
理恵をもう一度渾身の力を出して、呼び止めようとした…その時……
どこからともなく聞えてくる…聞き覚えのある声……
「父さん!!!父さん!」
静かに耳を凝していると、……
「父さん!!俺っ!秀一だよ!!!父さん!目を覚まして!お願いだから!!……」
(秀一??秀一!今っ!何て言った?……父さんって、聞こえた気がしたけど………」
思わず声のする方へ、振り向いた。