哀しみの瞳
秀は、ゆっくりと瞼を開けてみた。
白い天井…
瞳をずらしていくと、誰かが、話し掛けているのがぼんやりと見える。
部屋の様子からみると、病室なんだというのが分かってきた。
ベットの傍らには、秀一が立って、自分を見つめていた。
「秀一………ずっと此所に居てくれてたのか?」
「…………」
涙ぐんでいて、言葉にならないのが、秀にも、理解出来た。
「なんだ?いい大人が、泣きべそかくんじゃない!!由理が見たら呆れるじゃないか!」
「父さんっっ!俺……良かった、ホントに良かったよ……」
秀一の頬から、一筋の涙がこぼれ落ちた。