哀しみの瞳

ぼっーと、見上げて立っている時、向こうの方から、誰かが、駆け寄ってきた。


（ああっっーまたぁ！礼子さん）


「あらっ、またぁ、貴女なの？今度は、勤め先にまで来たの？ダメじゃないの！吉川君は、今仕事中なのよ！貴女には、想像もつかない程大変なのよ！あのね！もうっ、吉川君には、付きまとわないで頂戴！！分かった？…はいっ！」背中を押し出されてしまった。
本当に自分中心の女性だと思った。あんな人が…秀を幸せに出来るのだろうか？


理恵は、偶然でも、もしかしたら、秀が引き合わせようとしてくれたのかもしれないと思った。

とうとう、理恵は、秀に自分の口から報告することが出来ずに帰ることになった。



秀は、急いでいた。何としても、この件を一段落させて、理恵の大学へ向かうつもりでいた。そして自分の目で、合否を確かめたかった。

かなり時間は遅れたが、何とか、ホワイトボードを外される前に大学に着けた。

理恵の番号は「１１４６。理恵から聞いていた。



「あった！あった！！！理恵？見て行ったのか？
よかったなぁ！」近くにいた、職員が驚く程に大声で叫んでいた。