哀しみの瞳
家に帰り着いた理恵は、疲れ切っていた。合格した喜びより、これから自分のとる行動への、一抹の不安やら、何やらで、心が潰れそうだった。
その時、家の中は、誰も居なく留守だった。
ちょうどよかったと思った。部屋の片付けは、殆ど終わっていた。今までコツコツ貯めていたお金は、銀行にほとんど預金して、わずかな電車賃ほどのお金だけを残した。身の回りの物は、母が熊本へ送ることになっている。だから理恵は、2、3日程度の着替えと、大切な物だけは入れておいた。せれと、何故か今まですてずにおいた、ピアノの練習本「バイエル」4冊、これも大切にバックに入れた。
前日、眠れずにいた時、母さん宛と、秀宛の手紙を書いておいた。そして勿論沙矢ちゃん、武さんへも!
この二人には、何も相談することもしなかった。あんなにいつも私の事を親身になってくれてた二人に、何も言えずに、去る事への、後ろめたさはあった。
でも、二人に言えば、秀への反発をかうような気がして、どうしても、言えなかった。二人共いつだって、私の味方だったから!
その時、家の中は、誰も居なく留守だった。
ちょうどよかったと思った。部屋の片付けは、殆ど終わっていた。今までコツコツ貯めていたお金は、銀行にほとんど預金して、わずかな電車賃ほどのお金だけを残した。身の回りの物は、母が熊本へ送ることになっている。だから理恵は、2、3日程度の着替えと、大切な物だけは入れておいた。せれと、何故か今まですてずにおいた、ピアノの練習本「バイエル」4冊、これも大切にバックに入れた。
前日、眠れずにいた時、母さん宛と、秀宛の手紙を書いておいた。そして勿論沙矢ちゃん、武さんへも!
この二人には、何も相談することもしなかった。あんなにいつも私の事を親身になってくれてた二人に、何も言えずに、去る事への、後ろめたさはあった。
でも、二人に言えば、秀への反発をかうような気がして、どうしても、言えなかった。二人共いつだって、私の味方だったから!