哀しみの瞳
(武)
「あの二人は、一年や二年で、そうなったんじゃぁ、ないんですよ!僕が思うに。きっと秀が、そのぅ、初めて会った10才の時から、もう決めてた事だったんだと思いますよ!」


(沙矢)
「その二人を。おばさん達は……何てひどい方法で、別れ別れにさせようとしたんですか?」



(武)
「秀は?…秀はこの事、知ってるんですか?」

待子は、また、首を横に振る。


武は、あまりの悔しさに、握り拳に力を入れた。
この怒りを何処にぶつければ、今の気持ちを落ちつかせれるだろうか?
神様も仏様も、あったもんじゃない!くそっっ……

もう、どうする事も出来ないのか?

理恵ちゃんは、何で俺達に何の相談もせずに、こんな事したんだ。せめて、沙矢ちゃんにだけでも……


俺には、もうどうしてやる事も出来ないのか?本当に…………
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