哀しみの瞳

（秀）
「俺のせいなのか？俺が悪かったのか？」


（武）
「そうだっ！お前が気付いてやれなかった！……

俺は…こんな事になるくらいなら、理恵ちゃんを諦めないで、無理やりにでも、お前から、理恵ちゃんを…奪っていればよかったって思ってる！」


（秀）
「武っ、何でお前が理恵を？」



（武）
「俺は。お前の事を純粋に愛してる理恵ちゃんが、大好きだった。でも、理恵ちゃんは、俺のことなんて、まるっきり眼中に無かった。お前の事を心底愛していた。信頼もしていた。でも、多分、俺が思うに、理恵ちゃんは、自分がお前にとって、足手まといなんじゃないのか？自分では、お前が、しあわせになれないんじゃないかって、思ってしまった。とか」



（秀）
「そんな事…俺は理恵でないと、だめなんだ！理恵とじゃなきゃ、しあわせになんてなれない！理恵もその事判ってるって、思ってた」



（武）
「理恵ちゃんは、そのお前以上にお前のしあわせを考えていたんじゃないか？」



（秀）
「……」


（武）
「あっ、それと待子おばさん、心配な事他にもあるって！出て行く暫く前から、ずっと理恵ちゃん、体調悪くしてて。最後に出てく日も、洗面所で、吐いてたって、あの子は、体弱い子だから、本当今何処でどうしてるんだかって！泣いてたよ！まったく、理恵ちゃんは、沙矢と俺にですら、相談せずに…」