捨てないで
俺はそれを聞いた途端
周りから音が消えるほど
ショックを受けた
俺・・空になんて言った・・・?
消えろ
俺の前に現れんな
って言ったのよな
じゃぁ
俺は傷ついてる空に
さらに追い打ちをかけたって
ことか・・・・?
自殺まで追い込んだのは
俺じゃん
好きな女を苦しめて
俺は何がしたいんだよ
そんなことを考えていると
「どうしたの
誰かの見舞い?」
さっきの理人と呼ばれる
男が俺の目の前にいた
俺は咄嗟に
「空の・・です」
「そうか
でも今日は起きないかもしれないよ
夜遅いし
明日またおいで
起きたら空に伝えたいから
名前教えてくれる?」
「海堂千尋です」
俺はそう言って
頭を下げて病院を去った