・約束・2
村上君は、私が本社を離れている間に入社していた事もあり、
殆ど面識がない。

会議も一通り終了し、みんなワラワラと会議室を後にする。


そんな中、私は部長を呼び止めた。



「・・・部長、ちょっといいですか?」


「何だ?」




「あの・・・村上くんって、どんなコですか?」


「見た目はボーっとしてて、やる気がなさそうだろ?」



「お世辞にも、やる気があるとは言えない感じですケド・・・
 大丈夫なんですか?
 瀬戸川さんって結構厳しい事で有名な女優さんですよね?」



「・・・だから、お前をヤツに付けたんだよ」


「え?」


「お前は、下を育てる人間になるんだ」



「育てる??」


「いつまでも現場で動き回る下っ端でいる事はない。
 せっかく本社に戻ったんだ。上を目指せ」



「・・・私に、出来ますかね?」

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