・約束・2
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「・・・ただいまぁ」

今夜は残業を早めに切り上げ、2人が待つマンションに帰った。

「お帰り」

「ママ~♪あのね、きょうはパパとね・・・」


病み上がりだというのに、雅也と一日中過ごせた雅紀は
大興奮して、私に話し出す。


「そう。よかったね。雅紀」

「うん!ねぇママ、はやくココにひっこそうよ」


「雅紀?」


「昼間、話してたんだよ。いつでも皆で住めるよ・・・って」


「あ・・・それで・・・」



「ホントに。週末にでも引っ越しどう?」


「そうだね・・・私も、今日で仕事一段落ついたし。
そうしようか」


「やったぁー!」


「じゃあ、うちの事務所で契約してる引っ越し業者に頼むよ」

「うん。お願い」


帰宅して、たった数分の会話の中で雅也は私の変化に気づき、
私の顔を覗き込んだ。


「春夏? どうかした?」

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