・約束・2
「・・・何があったんだよ?」

雅也は静かに、落ち着いた口調で聞く。


・・・きっと、察しはついているんだ・・・
正直に言うしかない・・・よね


「突然・・・キス・・・された」


「・・・一度だけ?」


私は黙って首を横に振った。


「最初は打ち合わせの時・・・
百合子さんに雅也と私が結婚したコト話してないから、
余計な事言わないで・・・ってお願いしたら、その口止め料に・・・されて。
その後、言わなかったお礼・・・」



「・・・春夏からしたのか?」

「違うよ! 私からするワケないでしょ!!」



「その時だけ?・・・それで終わり?」



「・・・百合子さんにスタジオ追い出されて、屋上に探しに来てくれた時・・・」




「彼に・・・慰めてもらった・・・ってコトか」


「ま・・・雅也、誤解しないで!」

『はぁーっ』と大きなため息をついて、雅也はソファに座ったまま下を向いている。


「雅・・・也?」
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