・約束・2
「雅也だって、言わなかったじゃん!百合子さんとのコト・・・」


「それは・・・過去の事だろ」

・・・今、そんなコト引き合いに出すなよ・・・


「CMの共演だって、言ってくれなかった・・・
元カノと共演だから言えなかったんじゃないの?
しかも、あんなエロい演出で・・・私・・・
私は、そのCMをテレビで毎回目にしてるんだよ?!
私がどんな気持ちで、それ見てるか・・・」


春夏は吐き出すように、今まで胸にしまっていた気持ちを口にした。



責められても仕方がない。
どんな理由であれ、やはり百合子と共演するべきではなかったのかもしれない。
後悔しても遅い事は分かっている。

「・・・私事と仕事を比べんなよ」

「雅・・・」

春夏に呼び止められるも、その場に居難かったオレは春夏に背を向け
ベッドルームへ逃げ込んだ。



春夏は追いかけてくる事も無く、リビングは静まり返っている。




どの位の時間が経ったのか、部屋をノックする音が聞こえた。

「雅・・・也」



「・・・ごめんね・・・ヒドイ事言って・・・おやすみ」

春夏の声が小さくか細く聞こえる。


「・・・ホントにそう思ってんの?」

オレはベッドの中から声をかけた。
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