・約束・2
「え??何が?」


「あっ、いや・・・何でもないよ」
明らかに慌ててる同僚を捕まえて、白状させた。


「何が有名だったの?」



「・・・春夏と結婚したんだから、いっかぁ。
 彼女、瀬戸川百合子と大木雅也は共演当時から
 年の差カップルで、業界内では有名だったのよ」



「ホント・・・に?」



「春夏は知らなかっただろうけど、共演作も多くて。
 瀬戸川さんが可愛がってる年下の彼を自慢してる
 インタビューとかもあったくらいだよ。あえて実名は伏せてたけど、
 当時は誰が聞いても、大木雅也の事だって知ってるよ」




・・・雅也と瀬戸川さんが・・・

雅也は、あんな綺麗な素敵な人と付き合ってたんだ・・・

何で別れたんだろう

何で瀬戸川さんみたいな人から、私なんかに・・・




「まぁ、雅也は春夏を選んだんだから、彼女の事は
 気にしなくたって大丈夫よ~」


「・・・分かってる」


・・・分かってるけど、知ってしまった以上
出演タレントさんとしてだけ見る事は、きっと出来ないだろうという
不安感だけが生まれた。


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