・約束・2
オレは、隣の部屋にいる春夏を呼びリビングで電話の内容を話した。


「・・・そっか・・・」

納得した返事をした春夏だったが、やはり表情は曇っている。



婚姻届を出してきてから渡そうと思っていた
結婚指輪が入った箱を、春夏に手渡した。


そして、春夏の指にはめた。

「オレにもつけて」

差し出した指に春夏は、恐る恐る指輪をはめた。


「ふふっ」

急に可笑しくて笑ってしまった。


「何?」



「・・・やっと夫婦らしくなったな」

そう言ってみたものの、オレたちは何にも進展していないんだ。
一緒にも暮せていない。 婚姻届も出せていない。
会見も出来ていない。

春夏には我慢ばっかりさせている・・・


それが、申し訳ない・・・



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