・約束・2
「瀬戸川さんとご結婚なさるんですか?」
「だから、今日この場で発表を?」

取材陣は、百合子さんの反応を見て雅也の結婚相手が
かつての恋人、百合子さんだと勘違いしていた。



「・・・申し訳ありません」


「雅也君?」




「相手の方は、ココに居る瀬戸川さんではありません。
 一般の女性です」



「あれ?そうなんです・・・か。で、年齢は?」
「どこで知り合ったんですか?」



「彼女は同い年の、幼馴染です」




「お・・・おめでとう。雅也・・・くん」

「ありがとうございます。‘瀬戸川さん’」

少しギクシャクしたやり取りを、私はテレビ越しに見ていた。




「きゃぁぁ。おめでとう!春夏」
「やっと、大ぴらに出来ますね!」


「ありが・・・と」

仲間たちと言葉を交わしている私を見て、
不思議そうにしている村上君がいた。



「・・・え?!どーゆう事?大木雅也が結婚して、
 何で小田さんがおめでとうなの??」


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