・約束・2
「久しぶり。雅也君」

メイクルームで百合子に声をかけられた。


「百合・・・子」


目の前にいる百合子は、付き合っていた当時よりさらに磨きがかかって
綺麗だった、あの頃に年齢を重ねた色気が加わっている。



「今日は宜しく。スチール撮りも並行してやるみたいだけど、聞いてる?」


「あ・・あぁ」


「・・・そう。じゃあ、後で」


軽く会話を交わした後、ガウン姿の百合子は自分の控室へ向かった。
オレは軽くメイクを済ませてもらい、控室で待機した。







「大木さん、入られます」

スタッフに連れられ、スタジオ入りすると
目の前には壁一面に垂らされたシーツ、床にも曲線を描いたようなシーツが
敷き詰められている。


「・・・坪井さん、コレって・・・」



「ボディクリームのCMだから、肌見せて絡んでるシーンが欲しいらしい」


「え・・・」


・・・それって、ほぼ濡れ場同然じゃねぇか・・・


「オレもココまですると聞いてなかったから、嫌なら今からでも断るけど」

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