・約束・2
そんなこと言ったって、百合子は既にスタンバってんじゃん。


「・・・いいよ。このまま撮影で」


オレだって覚悟を決めて、この共演を受けたんだ。
どんなにカットがエロくたって、演じきってやるさ・・・




「じゃあ、よーい・・・スタート!」


カメラが回りCMに流れる曲をバックに、
オレは後ろから近づき、百合子を抱きしめ首筋に口づけをする。

百合子が振り返り、抱きしめあうと同時に纏っていたシーツが滑り落ちる・・・




「・・・カーット!チェック入ります」


カットがかかると同時に、百合子から離れた。


「ふふっ。懐かしいわね」

「え?」



「あの頃は、よく同じような事いつもしてたじゃない」


「・・・なに・・・言ってんだよ」




「次は見つめあう所から、倒れこみキスを交わすシーンです」

カメラマンが寄り気味で近づいている。

百合子に動揺するような事言われて、真に受けてるのか
久しぶりに緊張してきた。
< 43 / 180 >

この作品をシェア

pagetop