・約束・2
「お相手の方は?!・・・まさか、瀬戸川さん?」


・・・え?・・・


「え?!」

その声に反応して、百合子を見ると真っ赤になっている。


・・・あれ?取材陣も百合子の反応を見て、勝手に相手が百合子だと思い込んでる?
百合子自身も・・・まんざらでもなさそうな顔してる・・・
やべぇ。タイミング間違えたか?!




「・・・申し訳ありません。相手の方は、ココに居る瀬戸川さんではありません。
 一般の女性です・・・」



その後は、誤解も解けて取材陣から春夏の事などを質問され素直に答えた。

一番、動揺していたのは隣りにいた百合子だった。
報道陣には気づかれていないようだったが、
明らかにいつも余裕のある百合子ではなかったから。



「お・・・おめでとう。雅也・・・くん」



「ありがとうございます‘瀬戸川さん’」


この時、あえて百合子と呼ばなかった。
あの撮影での思わせぶりな言動。今日の動揺ぶり・・・
百合子は未だオレを忘れてはいないのかもしれない
・・・などと考えてしまったからだ。

いまのうちにハッキリしておかないといけない気がした。




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