・約束・2
「分かった。事務所の指示に従って。後は雅也に任せるから」


「・・・ごめん」



「いいの。雅也は仕事頑張ってね」




雅也は申し訳なさそうにしているけど、
一般社会人じゃない雅也と結婚するって事は
それなりに障害も大きいと覚悟している。

しかも、普通の結婚じゃない。
既に私達の間には、雅紀が誕生している事・・・




「春夏、こんな時に何なんだケド・・・これ」

雅也は私の手に高価な箱をポンと置いた。


「・・・なに?」

その箱を開けてみると、中には並んだ2つの指輪。



「結婚指輪、作っておいたんだ」


「あ・・・」



雅也は指輪を箱から取り出すと、私の指にはめた。


「よかった。サイズぴったりだ」


そう言って、自分の左手を差し出す。


「オレにもつけて」





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