・約束・2
「電話? どうぞ、取って」


「すいません・・・はい。小田です」

電話の主は‘託児所’からだった。



≪小田さんの携帯で宜しいですか?雅紀くんが先程から発熱していて
 今からお迎えに来ていただけますか??≫


「えっ? 雅紀が?!」


私の言葉を聞いた百合子さんが、こちらを見た。

「何かあったの?」


「・・・すいません。息子が熱出したみたいで・・・
 申し訳ありませんが、今から迎えに行っていいでしょうか?」


「何言ってるの!車は手配するから、今すぐ向かって」


「はい。・・・もしもし?今からそちらに向かいます」


百合子さんは近くで待機していたマネージャーを呼び出し、
私と共に車に飛び乗った。



「すいません。****本社までお願いします」


「急いで頂戴!」


「分かりました」


マネージャーさんは裏道を駆使して会社へ向かってくれた。


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