・約束・2
「本当に、雅也の子・・・なの?」


「そうだよ。俺たちの間に、生まれた子。
 春夏も雅紀も、オレの大切な家族なんだ」


「そ・・・んな・・・」

百合子さんの動揺が伝わって来る様だ・・・



「百合子さ・・・」

伸ばした私の手を振り払って背を向けた。


「・・・ごめんなさい・・・私、混乱してるわ・・・
 さっきまで、あなたに雅也との事話してたのに・・・」


「申し訳ありません」


「ふっ・・・私、とんだピエロね。
 見てて面白かったでしょ・・・」


「そんな事! ただ、本当に言えなかった私が悪いんです・・・」


「帰るわ。息子さんお大事に」

そう言ってる彼女の肩は小刻みに震えていた。

・・・きっと泣いている・・・




「どうしよう・・・私のせいで百合子さんを傷つけちゃった」

雅紀を抱えた反対の手で、雅也はそっと私の肩を引き寄せる。


「今は何をしても、何を言っても彼女の心には響かないよ。
 耳にも入らない・・・そっとしておこう」

「でも・・・」
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