・約束・2
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「急だったから、予約入れてないけど
個室じゃなくてもイイかな?」


「うん。構わないよ」

隠れ家的な雰囲気の店に連れて行かれ、奥の座敷に通してもらう。



「・・・で?今夜は帰って家族で夕食の予定だったろ?
何かあったのか??」


坪井さんは相変わらず勘がイイ・・・


「その予定だったけど、春夏が・・・百合子に誘われて会うらしいんだ」


一瞬、坪井さんが固まった。

「・・・え?‘百合子’って・・・あの瀬戸川・・・百合子さん?」


「そう。あの百合子・・・今度、一緒に仕事するらしくて」



「ホントかよ・・・それで?
お前は春夏さん・・・奥さんに瀬戸川さんとの事は話してあるのか?」


「・・・それなんだよ・・・さっき急に電話で言われてさ。
ビックリして、話す間もなく・・・」


「話してないのか」


「・・・うん・・・」


「このまま黙っておくことは無理がある。
あの頃、随分話題になったし、奥さんの周囲では知ってる人がいるハズだ。
いずれ耳に入る。その前に、お前から話した方が・・・」
< 75 / 180 >

この作品をシェア

pagetop