・約束・2
「百合子・・・さん」

春夏の言葉を耳にするのと同時に、オレの目に百合子の姿が飛び込んだからだ。

・・・百合子も一緒に来てたのか・・・


百合子も、声をかけた春夏ではなく、オレを直視している。


そして、その視線は雅紀へと移った。




「雅也が・・・何でココに?その子は春夏ちゃんの・・・」




「オレと春夏の子です」



百合子の目を見て、正直に答えた。


「・・・2人は・・・え?! 雅也の結婚相手って・・・」

百合子の表情は動揺を隠しきれていない。
オレは追い打ちをかけるように言った。



「瀬戸川さん、オレは彼女と・・・ココにいる春夏と結婚したんです」



「ごめんなさい!! 百合子さん・・・ずっと言えなかった
私が悪いんです・・・」

春夏が続けて謝り始めた。

「春夏?」


・・・‘ずっと言えなかった’・・・って?
オレと百合子のコトは知らないんじゃなかったのか?


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