・約束・2
春夏は知人から聞いて、オレたちの過去を知っていたのに
早いうちに結婚したことを話さなかった自分が悪いと謝っている。
「本当に、雅也の子・・・なの?」
オレと春夏の結婚が最近だった事と、雅紀に年齢から予測するに
春夏の連れ子だと思っている質問だった。
普通に考えたら、そうなるんだろうけど
オレたちの場合は少し事情があるからな・・・
「オレと春夏の間に生まれた子。
春夏も雅紀も、オレの大切な家族なんだ」
「そ・・・んな」
混乱してる百合子は、差し伸べた春夏の手を振り払い、
その場を立ち去った。
春夏は百合子を傷つけた事を気にしている。
そんな春夏の肩を引き寄せ、今はそっとしておこうと話した。
「でも・・・」
雅紀の存在が知られた事で、この先の心配をするよりも
春夏は百合子の心配をしている。
・・・相変わらず、人のコトばっかり先に考えてるな・・・