・約束・2
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マンションへ着き、まだ用意したばかりの子供部屋のベッドに
雅紀を寝かせる。
「ごめんね・・・」
そう言って、雅紀の頭を撫で謝る春夏の肩を叩いた。
・・・自分が仕事してるせいで、こうなったとか思ってるのか・・・
「自分ばっか責めんなよ」
凹んでいる春夏の手を引き、リビングへ戻ると
オレはソファに座り、一息ついた。
「・・・春夏、オレと瀬戸川さんのコト、知って・・・たんだ?」
「・・・ごめん・・・」
お互い、もっと早く話せばよかったと言い合って反省した。
ただ、オレにとっては既に過去の話だ。
春夏にとっては、これからまだ仕事をする仲・・・
結婚相手が春夏と知られ、多少の心配はある。
けど、一番仕事がし難いのは春夏なんだ・・・
「私と、仕事したくないんじゃないかな・・・」
そう言った春夏は、やはり弱気になっている。
春夏が百合子を前にして、卑屈になることも引け目を感じる事も無い。
仕事相手なんだ。プライベートな事で、ヘンに気を使う事ないんだよ・・・