トライアングル~永遠を君と~
「いってきます、」
お母さんは仕事、お兄ちゃんは夜勤明けでぐっすり、弟は部屋に閉じこもってる。
誰もいない玄関に小さく呟くと、起こさないように外に出た。
一歩外に出ると、さっきまで小さく聞こえていた蝉の声が一斉に耳に響く。
夏だもん、仕方ないのは仕方ない…よね?
それでも煩いのは苦手。
私はカバンからWALKMANを取り出すとイヤホンで耳を塞ぐ。
こうすると、煩い蝉の声ではなくて好きな音楽が聞こえてくるもん。